連載

【最終回】紗倉まなの愛に対する葛藤「結婚願望も子供を育てられる自信もない」

【この記事のキーワード】
今までありがてぃ~!

今までありがてぃ~!

 20歳から今に至るまでの5年間。人様に話せるほどのものでもないけれど、それなりに人を好きになったし、それなりに考えさせられることもありました。決して明るくはない気質だからこそ、まぁいっか、で笑い飛ばせずにとことん落ち込むことも多かったし、寝つきが悪くなって、長い夜にあがくことだってありました。でも、好きになっても所詮は他人。そういう結果に、どこか不思議と落ち着いてしまうのです。私は冷めているのでしょうか。

 有線から流れてくる恋愛ソングの歌詞に共感できなくても、素敵な愛を育むことができなくても、好きになるという気持ちの地軸自体には非常に共感できます。それでも、辞書を引くように少しずつ感情を言葉に落とし込みながら胸を痛めることで、ようやく「こういうものなのか」と納得させてきた節もありました。そんな風に着実に固めてきた心の地盤のようなものがあり、その変遷を逐一記せる場というのが、このmessyコラムなのでした。

 私の地元は都心部と比べても早婚文化が根付いているほうで、学校を卒業してすぐに結婚し、子供を産んでいる友達も多いんです。家庭に入り、出産して、子育てに奮闘する。同じ年にして人生の次のステップへと駆け上がっていき、それに伴う悩みも経験している友達たち。そうなると自然と、いや明らかに、疎遠になっていくのです。

 日常の稼働時間や環境、金銭感覚も変われば、話題の共通言語もちょっとずつ変わってくるのは当たり前のことなのかもしれないけれど、久しぶりに会ってみた時の違和感は、どれだけ両者が気を遣い合っても、やはり生まれてしまうものなのではないでしょうか。昔はあれだけ「わかる~!」と深く頷き合っていた話題も、もはや一体、なんだったっけ……という状態。

 もともと結婚願望も、子供を育てられる自信も、私にはなかったのです。だからこそ、家庭に入った友達の姿というのは、羨ましさ以上に「すごいな(勇士……!)」の一言に集約されてしまったのでした。

1 2 3

紗倉まな

高等専門学校の土木科出身。18歳の誕生日の翌日に事務所に応募し、所属が決定。2011年にイメージビデオデビュー、翌年2月にAVデビューするや否や人気沸騰! SOD大賞2012では最優秀女優賞、優秀女優賞、最優秀セル作品賞、最優秀ノンパッケージ作品賞などなどを総なめで6冠を達成する。『ゴッドタン』キス我慢選手権でも「かわいすぎる」と話題☆

紗倉まなの工場萌え日記