1994年にデビューし、当時大ブームを巻き起こしていた『タモリのボキャブラ天国』(フジテレビ系)への出演でブレイクした女芸人コンビ・モリマンのホルスタイン・モリ夫(40)と種馬マン(44)が、11日放送の『解決!ナイナイアンサー2時間SP』(日本テレビ系)に出演し、ブレイク時の苦悩を告白した。
二人は全国ネットのテレビで「ちんこ」「まんこ」と放送禁止用語を口にし、『ココが変だよ日本人』(TBS系)出演時にはモリ夫が下半身をを出したこともあるTHE・下品な芸風だった。胸や性器をイヤらしいものとしてではなく、男女それぞれが備えている肉体の器官でしかない、というスタンスで捉えていたようで、同番組で外国人たちからブーイングを浴びたモリ夫は「男が脱いだらみんな笑うのになんで?」と率直な問題を提示していた。
その後、95年には飛ぶ鳥を落とす勢いだったロンドンブーツ1号2号と共に冠番組『マンブー!』(TBS系)をスタートするが、半年でこれが終了し、彼女たちは活動の場を東京から地元・北海道へと移した。96~08年までは、年に1度のペースで『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』(日本テレビ系)内の企画「山崎邦正 VS モリマン」で全国ネットに姿を見せていたが、基本的には道内での活動をメインとしている。
そんなモリマンが11日の放送で明かした「テレビから消えた理由」。モリ夫いわく、「デビューして1年以内でいきなり売れすぎて、仕事がハードすぎて地元に帰ってきた」のだそうで、精神的にも体力的にも限界だったようだ。今は女芸人のコンビも珍しくなく、森三中やいとうあさこのように体を張るタイプから、友近や柳原可奈子のように器用な技巧派、ガヤ芸人枠、イジられ枠など多彩なラインナップだが、90年代前半は女芸人が少なく、「汚い仕事や痛い仕事」は全部モリ夫に回ってきたという。それをオイシイと思えるうちは良かったのだろうが、彼女は当時の記憶を「思い出したくもない」という。
収録現場での出来事ならまだしも、彼女がそれよりもつらかったのは居酒屋などで行われる打ち上げだったそうだ。
「全裸にされて掘りごたつ(の下)に入らされる。服はブン投げられ、他の打ち上げ参加者の足を裸の体の上に置かれ、打ち上げの間中、横になっている」
そこには、新人ながらすぐにブレイクしたモリマンへの嫉妬や憎悪もあったのかもしれないが、傍から見ればかなり過酷ないじめだ。モリ夫は番組で「そんなの何が楽しいんですか」と当時の辛さを振り返り、目には涙も浮かんでいた。笑いをとるために自ら脱ぐのではなく、仕事ではない場面で無理やり服を脱がされて足蹴にされるなど、屈辱以外の何物でもなかっただろう。
現在はローカルタレントとして北海道で活動し、飲食店経営もしているモリマン。18年前に「何が何でも地元には帰らない!」と息巻いて、東京でつらい日々を送る道を選ばず、二人ですぐに帰郷したことは英断だったのではないだろうか。
(清水美早紀)