連載

ちょっと待て! 若者のまんこ離れ・モザイクあり派に物申す!

【この記事のキーワード】

まんこのアートを作り、まんこまんこと毎日つぶやいていると、
「女性器についてひとことご意見をという取材が来るようになります。
もはやわたしはまんこご意見番
それは光栄なことですが、先日依頼された取材テーマは、ちょっと待てよ! となりました。

『若者のマンコ離れもココまできた!

AVモザイクあり派』

という企画に意見を述べるというものでした。

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週刊プレイボーイのU氏が言うには、近年、アダルトビデオやアダルト動画での性器にモザイクがあったほうがいいと思っている若い男性が増加傾向にあるとのこと。
まんこにモザイクをかけること……。
わたしはこのおかしな手法に常々疑問でした。
まんこを見えなくすることで、かえってまんこにいやらしさが生まれてしまい、よくも悪くもまんこが人間とかけ離れ、おかしなイメージが一人歩きしてしまったのです。
おかげでまんこを持っている女までもがまんこを異質なものとして自分から切り離し、見下すようになってしまいました。
そんな酷い価値観を植え付けるモザイクがけに、わたしは異議を呈し続けてきたのに、モザイクをかけて欲しがる若者が益々増えているなんて!
まんこ持ちの代表として、見過ごすわけにはいきません。

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鼻息荒く待ち合わせに向かったわたしの前に現れたライターU氏はパッと見はチャライながらもまんこについて真剣に考えてくださっている様子でした。
しかもU氏自身は「僕は若い世代ですけど、モザイクはかけないで欲しい否定派です!」
わたしの言いたいことも、少しはわかってくれるかも……?

U氏の話を聞いてみると、若者のまんこ離れとやらは本当に増加しているようです。
実際にU氏の職場の20代童貞の男性たちでもモザイクなし派が圧倒的ということでした。
かつては童貞といえばセックスをしたがるものであり、
みうらじゅん氏も童貞を「D.T.」と名付け、その底力を賛美していました。
セックスをしたいのに女にアタックできない気の弱さで悶々とするしかない、その泥臭いネガティブなパッションは、他のことに置き換えれば確かにものすごいパワーとなりえたでしょう。
しかし現在の童貞たちはとても淡泊で、セックスに興味がなく、むしろセックスをしたがらない。
ましてやまんこなんて気持ち悪くて見たくもないのだそう。
童貞は、もはや必死な存在ではなくなったのです。

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こんなことになった理由は、わたしのまんこアート活動に反応する人の年齢層を考えるとわかります。
まんこを怒ったり嫌う人、逆にありがたがって喜ぶ人、そのどちらも40代以降のおじさんたちばかりです。特に60代以降のほうが多いですが、彼らに共通して言えるのは、若い頃インターネットがなく、まんこを見たくても見れなかったこと。
人は隠されたものに惹かれます。
女のまんこがどうなっているのか知りたくて知りたくて風俗や出会い系で会った女性のまんこの型をとってコレクションにし、それを販売して捕まってしまったおじさんもいました。
しかし、現在はどうでしょう。
「アダルト 無修正」と検索すれば、いくらでもモザイクなしのアダルト動画を、鼻くそほじりながら見れてしまう……つまり、インターネットの誕生で、まんこはありがたみがなくなってしまったのです。
もはやまんこはただエグイだけ。

モザイク否定派のU氏も、初めてまんこを見た時は気持ち悪くてギョッとしたと言います。
ただ、たまたまその時の女性がブスだったので、
「美人のまんこはもっと綺麗じゃないかな!? と勘違いする方向に走ったんですよね~(笑)」
やがて美人のまんこも綺麗とは限らないことに気づいたU氏ですが、今でもまんこを嫌わずにいられるのは、
「僕にとってまんこは、居酒屋の暖簾なんです」

(次ページへ続く)

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ろくでなし子

漫画家。日本性器のアート協会会員。自らの女性器を型どりデコレーションした立体作品「デコまん」造形作家。著書に『デコまん』(ぶんか社刊)。『女子校あるある』(彩図社刊)

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