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まじめに婚活してみたら、その日のうちに告白されてセックスした件

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このまま、エロいことばかりしているうちに1年が終わるんだろうか……。
白雪はロダンの考える人のように肘をついて黙考していました。
ハッピーメールを開けば、数件の新着メッセージが光っています。33歳といえど、ハッピーメールの中で白雪はまあまあモテる存在……。
その理由が、エロさが漂う写真とお股かるかるガールなメッセージにあることも棚に上げ、白雪は思ったのです。

「まだモテるうちに真面目な婚活アプリでもダウンロードしてみっか!」

今、ハッピーメールでは毎日2件ほど、新しい男性が白雪にアプローチしています。単純計算をすれば、7日で14人くらい。こんなペースで婚活すれば、すぐにイケメン金持ちの彼氏ができそうです。

さっそく、白雪は真面目な婚活アプリとして有名なO●iaiをダウンロードしてみました。

すげえ…!! 真面目な男ばかりだ!!

O●iaiに登録して思ったのは、みんなすごく真面目に活動しているということ。『本日のPickup』という名で男性のカードが10人ほど見られるんですが、みんなプロフィールが超真面目!!

『はじめまして!Mといいます。今まで恋人がいた経験はなく、恋人がほしくなり登録しました。29歳。スーパーのパート店員をしています。見た目は格好よくないですが、誰よりも優しく、笑顔がチャームポイントです。こんな自分ですがよろしくお願いします!』

そんなチンコの皮もかぶってそうな優しげなコメントばかりが並んでいます。

ううん……! みんな、真面目に婚活してる感じがビンビン。白雪は未婚33歳という自分のステータスを忘れ、ヤリ目で婚活アプリで活動している、30代既婚者やり手の営業マンの気持ちにシンクロしました。

一生懸命婚活している真面目な男をかたっぱしから食ってやりてェ……!!

……なんてね。
だめだめ。
今回は真面目に婚活するって決めたんだから!!

白雪はすぐに自分の目標を思い出し、エロい目線ではなく、恋人にしたいかしたくないかというシビアな目線で男性を選別し始めました。

「この男は唇が厚いわ……すごいクンニをしそう。あり!……あ、でも、年収200万以下って書いてある……。パートナーとしてはちょっと心もとないかな……」

そんなこんなで2時間ほど唸って、『イイね』をし終わり、婚活した!! という謎の達成感をもって、眠りにつきました。

翌日。起きてみると、数人の男性とマッチングしていました。
布団の中で携帯をいじっていた白雪は飛び起き、すぐにマッチングした男性をチェック!!

あごひげの生えた、革ジャンをはおるおしゃれ系男子K氏(34歳)……すげえ、好み。
仕事は機械の設計。上地雄輔風のくりっとした目のかわいいフェイスなのに出会いがなくて登録したんだそうです。恋愛に関しては一途だけど、傷つくのがこわいので、徐々に仲良くなりたいですって書いてある。かわいすぎかよ~~!!

きっとセックスも淡白なんだろう、と白雪は思いました。クンニもあんまりしたことがなくて、白雪が「お願い」っていうと、おずおずと白雪のしげみをかきわけてキスをするわけです。「舌、いれて」「うん……」そして、震える舌がまるでバイブのように白雪の膣にゆっくり入ってくるのです……。

「あ。……そのまま、…そこ…ン!」

とか私も言っちゃって――――!!!
白雪は妄想でパンツをべとべとにしながら、速攻で彼にメッセージを送りました。

なんと第一希望の男子と実際出会えた!! でも、衝撃の結果が……

白雪がメッセージを送ったのは金曜日の朝。その日の夕方。K氏から連絡がきました!!
数回のメッセージを交換し、彼に求められるままにLINEのアドレスを交換。
K氏はすごくノリの良い男性で、絵文字とスタンプ(いくつ持ってんの!? っていうくらいバリエーションが多い)でぽんぽんメッセージを返してくれました。……あれ、けっこうぐいぐいくるね? 私のこと、そんなに気にいったのかい?

K氏「魔夢子ちゃん、土日はなにしてる? いきなりかもだけど、明日の夜とか時間ないですか?」

K氏、徐々に仲良くなりたい、というわりには、アグレッシブ。それもこれも私の魅力のせいかしら??
白雪は悪いがしなかったので、即OKしました。

待ち合わせは、お酒を飲むので駅前集合。
駅に現れたK氏は写真通りのイケメンさんでした。写真よりかはちょっとぽっちゃり、がっちりしていましたが、K氏曰く「趣味で友達とフットサルはじめたんだけど、終わったあとガンガン飲むことが多くて、かえって肉ついちゃった」とのこと。白雪はがたいの良い男性が好みなので、にこにこしながら頷いていました。

白雪のおすすめの居酒屋で食事を楽しみ、あっという間に時間は過ぎていきました。
田舎の終電ははやいので、10時半には最終電車になってしまいます。しかし、K氏は「二軒目どうする?」と帰る気がまるでなさそうな発言をしました。

白雪「え、でも終電10時半くらいじゃない?」
K氏「適当なホテルに泊まってくからいいよ♪」

え、マジ……?
はじめて会った女と数時間飲むために、ビジホに泊まるの? 7000円くらいとられるんでない……?
とはいえ、白雪も彼との時間は楽しかったですし、会話内容は仕事の話やお互いの趣味の話などでまじめな雰囲気ですし、このままお互いを知り合うのもいいかな? と思い、OKしました。
すると二軒目のバーの帰りにまさかの告白をされたんです……!!

K氏「俺とつきあってくれない?」
白雪「え、はやくない(笑)??」
K氏「やっぱ、はやいか―。じゃあ、付き合わなくてもいいよ!」
白雪「???」
K氏「俺は魔夢子ちゃんのこと好きだから、付き合わない状態でも、いちゃいちゃデートをしたい」
白雪「うん、いいよ」

手をつなぐとか、したいのかな? と思い、手を出そうとすると……。

K氏「じゃあ、ホテルいこっ」
白雪「え?」
K氏「恋人ならエッチなこともするよね?」

んんんんんん?????

 

今回の教訓『婚活はセフレ探しじゃねーよ』

その後、頭を? でいっぱいにしながら、白雪はのこのこ彼についていき、合体しました。しかし、よくよく考えると、どう思い返してもK氏はちゃらい男でしかなく、翌日のLINEも「気持ちよかったね♡来週はどこでご飯食べようか?」とか言ってきて、なんかセフレみたいな雰囲気になりそうだったのでブロックしました。

ピロートークも「俺、チンコ大きいでしょ?」って話ばっかりだったし、K氏。絶対遊んでるよね……??

ハッピーメールで知り合っていたなら、何も思わなかった出会いなのに、真面目な婚活アプリで知り合うと怒りを覚えるのはなぜなのだろう……。
ヤリ目の男性は、ちゃんと出会い系アプリにいてください!! と思う白雪でした。

白雪魔夢子

大学卒業後、プロニートとして活動。毎日15時間オンラインゲームをして、ギルドマスターまで上り詰める。しかし、三十路を過ぎ、ふと「私。もしかしてやばい奴なんじゃ?」と思い直す。その後、奮起し、出会い系サイトに登録。『どうしてそうなった』という忠告はおやめください。