
18禁出会い系実況!
あけおめです! 白雪魔夢子です。
白雪は中学生の頃、立派なオタク女子でした。
毎週漫画雑誌を購入し、登場人物に思いを馳せ、せっせと同人誌を作り、イベントで売っていたものです。売り物にはしませんでしたが、へたくそなりにエッチなマンガを書いてこっそり楽しんだりね。
そのくせ、お姉さんたちが作っている18禁のエッチな本を目にすると、本当は興味津々のくせに、さっと目をそらして通路を歩いたもんですよ。
『コミケが気になる今日この頃。僕は地元のイベントに出るので精いっぱいなんですけどね(汗)
魔夢子さんは同人活動には興味ありますか? 僕が書いてるのはR18です』
クリスマスを控えて、出会い系サイトも男性からのメッセージが増える中、白雪の目にぱっと飛び込んできたのがこのメッセージでした。
送ってくれたのはM氏。34歳。写真はストレートに表現すると、「秋葉原でおでんの缶詰食ってそうな肥満の男性」。
帽子を目深にかぶっていて、ハイネックの服が首を絞めています。肉に埋もれつつある、つぶらな瞳がチャームポイント……かな?
プロフィールもとくに気になるところはなく、普通だったらスルーしちゃう案件だったのですが……
『同人』『R18』『地元のイベント』『コミケ』。
まるで北斗神拳でいう秘孔をアタタタタと突かれているかのようなワードに、白雪は「ヒデブ!」となって返信したのです。
イベントのあとオフぱこしちゃう?
M氏とは同年代ということもあり、すぐに打ちとけることができました。FF7にはまって、ラミネートカードをいっぱい買ったとか、幽遊白書の同人誌を作ったとか90年代のオタク話で盛り上がれたのが本当に楽しかったです。それも、M氏は恋愛シミュレーションゲーム経験者。白雪がやりこんだ『ときめきメモリアル』も1からやっていて親近感アップ!!
もう抱いて!! わたしを藤崎詩織だと思って抱いて!!
「イベントのあと、抱いて!」と白雪が言うと、「泊まっちゃいますか!」とM氏。
週末、彼は地元のイベントに出るというので、白雪も同行させてもらうことになりました。
18禁本の売り子になって、夜はセックス。小さな頃、おまたを濡らしながらエッチなマンガを描いていた少女がぐっと大人になったって感じ……。相手はおデブなオタク男性だけど、R18の作品を書きまくってるんだから、きっとすごいセックスをしてくれそう……!!
イベント当日。イベント会場の街まで電車で向い、駅に降り立つとM氏が迎えに来てくれていました。
ドン・キホーテで購入してそうな黒縁眼鏡に黄土色のシャツとモスグリーンのパンツ姿。ま、まあ。恰好は別に気にしないわ、とM氏の軽自動車に乗り込みました。あ、後部座席に段ボール発見。
白雪「これが売り物?」
M氏「うん。そうだよ」
白雪「R18なんだよね」
M氏「そそ。まあ、俺の作品は人を選ぶんだけど、でも、好きな人にはたまらないと思うよ」
白雪「なんのジャンル?」
M氏「オリジナルだよ」
おお、尖ってるねえ~~~‼
地方イベントの場合、購入者が若い子ばかりなので、基本的にR18はウケません。しかも、人気のジャンルではなく、オリジナル‼
その『俺は我が道を行く』という感じに白雪は感心しました。
白雪が現役の時は、人気ジャンルのグッズばっかり売っていました。だからこそ、白雪は彼・M氏のことをかっこいいと思いました。
時代に流されず、自分のパッションを大切にする。それでこそ、同人活動の醍醐味よね‼
M氏の売り物とは……
会場に着くと、M氏がせっせと本を並べ始めました。
本がずら~~~~~‼
R18とM氏は言っていましたが、表紙の絵柄は皆、とても可愛い女の子たちです。
…………ん?
なんか……。女の子の年齢、低すぎん……?
M氏の同人誌の表紙に描かれている女の子たちは、みな小学3~4年生くらいのロリでした。
中にはランドセルを背負っている子もいて、胸に『3年2組○藤あ○み』みたいな名札までしています。
ま、まあ……。R18ってそういうのもあるか……。
M氏はスケッチブックを立てかけました。
『スケブ、購入者にのみ描きます!お金は大きいものは厳禁!おつりないです!』
……いや、銀行行っておつり準備しないんかーい!!
これもまた、M氏のいう『俺は人を選ぶ』ってやつなんでしょうか。そこまで買いにくいM氏のR18本ってどんな中身なのか白雪は興味津々になりました。
白雪「売り物の本って中見ていいの?」
M氏「魔夢子ちゃんは18歳超えてるからいいよ!」
ドキドキしながら、白雪は本を開きました。
「……え?」
その瞬間、白雪は絶句!!
小さな女の子が、汚いおじさんにぼこぼこに殴られながら、犯されている……。
女の子は目を見開き、泣きながら苦痛から逃れようとしますが、おじさんがこれでもかというほどぶん殴り、「『好きです、わたしの処女ま○こにたっぷり注いでください』って言えよ」とすごみます。そのまま、女の子の髪を乱暴につかみ、ぶちこむのですが、大量に血が出るのです……。女の子はうつろな目をしながら「だいしゅきです……」と呟く、そんな胸糞漫画……。
この漫画を描きながらM氏、勃起してるわけ……?
おええええええええええええええええええ!!!!!
今回の教訓『同人誌好きにもいろいろいる』
その日、M氏の漫画をチラ見するお客さんが現れるたびに白雪は下を向いていました。
こんな漫画を描いている男のツレだなんて思われたくない……!!
結局、1時ごろ、「急用ができた!」とウソをついて、白雪は立ち上がりました。
帰り際、M氏が「急用なんてウソなんでしょ……?」と言ってきたのが怖かったです。
M氏「今日、このあと、しようって言ってたのに……」
そ、そんなこと言ったって、こんなぐろい漫画が好きな男性とセックスしたら、生きて帰れるかわからないよ~~~~(涙)。
同人誌を愛する人々が白雪は好きです。でも、どうしても受け入れられないジャンルがあることを知りました……。リョナ好き(女性が暴力や拷問などの苦痛に晒される性的な作品)の人とだけはセックスしたくないです!!!!