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ホワイトデーで気が重~くなる韓国男子。女子が求めるプレゼントとは?

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Photo by Bud Ellison from Flickr

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 何かと恋愛イベント好きなイメージがある韓国。やはり3月のホワイトデーシーズンは、女性たちを中心に社会的な盛り上がりを見せるようだ。韓国のホワイトデーは日本のそれと同じ。“バレンタインのお返しをする日”で、男性が女性にプレゼントを渡す“恋愛イベント”として定着している。

 ところで、ホワイトデーのプレゼントの定番と言えば、やはり“キャンディー”だが、韓国女子はどんなものを欲しがるのだろうか?

 気になったので調べてみたところ、「服、指輪などのファッション用品」(34.1%)がダントツで1位だった。次いで2位にランクインしたのが「商品券や現金」(19.2%)。その後、3位「真心のこもった手紙」(15.4%)、4位「特別なイベント」(10.2%)、5位「人のいる前で告白」(6.7%)などが続く。大本命「キャンディー」(5.4%)は6位にとどまり、以下、7位「花束」(5.3%)、8位「スマートフォンなどIT機器」(3.6%)という結果になっている。※韓国某リサーチ会社調べ-回答者約4万人

 ちなみに、日本女子が望むプレゼント上位にも「アクセサリー」(naverまとめ)がランクインしているが、こちらは常に身に付けていられるからというのが、その理由だという。韓国女子が「服、指輪などのファッション用品」を望むのも、同じ感覚なのだろうか……?

 興味深いのは、日本女子のランキングでは「お返しはいらない」も上位を占める点。好きな人との一体感や、自分の献身的な行いに愛情を感じていると言えそうだ。対照的に「商品券や現金」が2位に食い込んでいるあたりを見ると、韓国女子のほうが“気持ちにカタチ”を求める傾向が強いのかもしれない。

 そんな現実的な韓国女子たちのリクエストにさらされる韓国男性陣。当然、ホワイトデーのお返しには気を揉むようだ。とある掲示板ではこんなやりとりが。

A:今度、ホワイトデーに彼女にお返しをしたい。普通のお菓子だったらがっかりさせてしまいそう……。だからといってお金もあまりなく……。何かいいアイデアないですか?
B:それ、毎年悩むよね。動画イベントなんかどう? 最近流行っているみたいだし、俺もこの前やって大成功だった。3000円か4000円出せば作ってくれるサービスがたくさんある。高価な贈り物ができないなら、感動させるしかない!
A:試してみます!

 ちなみに動画イベントというのは、2人の写真を動画でまとめ、レストランや自宅などで放映するイベントだ。結婚式などで流されるショートムービーを想像していただければ、わかりやすいかもしれない。日本だったらこっ恥ずかしくてやっていられないが、韓国では感動と出費のバランスが取れた贈り物として、男性陣の間でひそかに流行りつつあるようだ。

韓国でも面倒な義理チョコ問題

 一方、義理チョコのお返しについてはこんな書き込みも。

「ついに今年もこの日がやってきました。ホワイトデーは人間共同体が持つ矛盾が露見する日です。基本的には、職場の男子全員でお金を出し合いお菓子を買って、女子社員に配ろうと思っているのですが……。問題は、『彼氏以外からはプレゼントを貰わない』という、鉄のような信念を持った女性たちがいること。軽々しく渡すわけにもいかず。かといって、義理チョコをくれた女子にだけお返しをすると、職場の雰囲気も悪くなるし……。韓国人女性の気持ちはややこしい」

 人間関係が濃く、体面を気にする韓国社会だからこそだろうか。一部の男子にとって、お返しと、それにまつわる気遣い問題にさいなまれるホワイトデーは、毎年恒例の苦行になっているようだ。ホワイトデーに起こるであろう摩擦をどう切り抜けるか。これから先も、韓国人男子にとって、社会生活の大きなテーマになっていきそうである。

 ちなみに、韓国女子がバレンタインにあげたいプレゼントのダントツ1位は「ラブレター」だそうだ。貰う時の立場とは一転、すごくメンタル要素が強い。せめてチョコくらいあげようよ、とツッコミたくなるが、そこは韓国女子特有のこだわりがあるのかもしれない。

 

■河 鐘基/エンターテイメントから政治まで、韓国の社会問題を広範囲に取材。雑誌やウェブ媒体を中心にライター活動を展開中。K-POPも好きだがAKB48の方が好きという、韓流ライターにあるまじき趣味を持つ。さらに正直に言えば、ローラのほうが好き。

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河鐘基

エンターテイメントから政治まで、韓国の社会問題を広範囲に取材。雑誌やウェブ媒体を中心にライター活動を展開中。K-POPも好きだがAKB48の方が好きという、韓流ライターにあるまじき趣味を持つ。さらに正直に言えば、ローラのほうが好き。