
18禁出会い系実況!
こんにちは! 白雪魔夢子です。
白雪は日本の北方面在住なのですが、厳寒の地でも春うらら。冬のキンと冷えた空気が少しずつゆるみ、サクラが咲き始める季節です。
白雪はこのうららかな季節を『変人がでてくる季節』と呼んでいます。
白雪はいままで、4度ほど変態に出会ったことがあるのですが、いずれも季節は春だったのです。
「オナニーを見てほしい」と礼儀正しく言う変態。電車の中でトレンチコートの下から丸出しの局部をわたしにだけ見せつけてきた変態。「フェラ、フェラ、イチマン」と声をかけてきた外国人。「縛られることに興味ない?」と言ってきたおじさん。
今年も変態に会うのだろうか。でもなあ。わたし、家からほとんど出ないしなあ。
そんなことを思っていた時に、目に入ったのがY氏のプロフィールでした。
『ころがしてほしい。手の内でころころと。アブノーマルな恋愛に興味を持っていたけれど、彼女にカミングアウトしたらフラれました。6年も付き合っていたのにな……。いまは傷心。さみしい。おじさんだけど、いいですか。本当の自分を見せたいです』
そこはかとなく漂うアブノーマル臭!!
彼女にカミングアウトしたらフラれた?
一体、どんなプレイをしたんだ??
首を絞めるとか? 放尿プレイとか? それともアナルセックス?
わたしなら、スカトロが趣味って言われたらさすがに引くかなあ。
「一緒にウンコ食べよう!!」って言われるのはちょっと……。
そんなことを思っているうちに彼のページを何度も踏んでいた私。
ふと気が付くと、彼からイイネが来ていました。こうして私たちは消極的なアプローチからマッチングすることとなったのです。
初マッチングのY氏
「マッチングありがとうございます~! 性癖っていろいろありますよね。わたしも昔はコスプレエッチが大好きでした~。Yさんの性癖、気になります!」と送ると、Y氏からすぐにメッセージが返ってきました。
Y氏「言えないです!」
白雪「(言えよ……)もしかして、スカトロ系? それとも痛い系?」
Y氏「いや。汚いものでも痛いものでもないのですが……ぼくのは、あまり共感を得られるものではないかも。でも、今度付き合う人には受け止めてもらいたいと思っています。とはいえ、このプロフィールがいけないのか、いまだマッチングゼロなんですけどね」
Oh……。どうやらわたしはY氏の初マッチング相手となったようだ……。
Y氏のプロフィールは、後頭部の写真。犬の写真。車の写真。スノボをしている(顔はゴーグル等で隠れている)写真。山の写真など。
写真はいっぱいあるものの、本人の顔が分かるものはなし。
年齢43歳。身長は168㎝。年収の記載なし。
まあ、これでプロフィールが『アブノーマルカミングアウト』じゃ、イイネする女子もいないよなあ。
でも。スカトロとか、ゲロとか、スパンキングとか、そういうものじゃないなら、わたし、全然ウェルカムよ!
白雪「Yさんにとっては、最初のハードルは性癖のカミングアウトなんですよね。だったら、一度お会いして、してみませんか?」
Y氏「してみる、とは」
白雪「はい。Yさんがよければ。体の相性って大事ですしね!」
彼には恋心的な興味は1㎜はない。だからこそ、わたしはさっさとセックスを切り出せるのです。
白雪「Yさんがカミングアウトした相手って、6年付き合った彼女さんだけなんですよね? だったら、まだその性癖がやばいものかどうかわからないじゃないですか。わたしが判定しますよ! 受け入れられやすいものかどうか(*^^)v」
その昔、風呂場でウンコをもらすプレイをしたことのある私なら、きっと受け止められる!! 白雪は妙な自信に満ち溢れ、彼をぐいぐい押していきました。
ちっちゃいおっさん
19時。いつものコンビニの駐車場。「水色のアクアに乗っています」という情報を頼りに近づいていくと、ちっちゃいおじさんが車から出てきて、ひょこっとおじぎをしました。
ンンン??
168㎝??
160㎝くらいしかなくない!?
ガチな婚活目的で出会っていたら『詐称案件』ですが、今回は彼の性癖が見たいだけだったので、何も言わずに笑顔で車に乗り込みました。今日の恰好はバニーガール風の胸を強調したワンピースです。
Y氏は40代前半ですが、しっかり『おじさん』と言う感じでした。体型は太めでメガネをかけています。メガネの奥はたれ目。独身だそうですが、子供が2人くらいいそうな安定感がありました。うん、悪い人ではなさそう。合格。合格。
「サイトを始めた当初はもっと当たり障りのない自己紹介文を書いてたんですけど、全然マッチングしなくて」とY氏は照れたように語り始めました。
「出会い系アプリ向けのコラムを読んでいたら、当たり障りのないことを書くよりもがっつり主義主張や好きなものを入れたほうがマッチングしやすいとあったので、じゃあ、僕も自分の性癖を前面に押し出してみようかな、と思ったのです」
白雪はウンウン頷きながら、その先を期待して聞いていました。
しかしY氏は「恥ずかしいな」と口を濁し、その肝心の性癖を教えてくれません。
んもう、どこまで焦らすのよぉ!!
彼のアブノーマルプレイとは
ついに車はホテルへと入っていきました。
来慣れた我が家のようなラブホ。もうお風呂の位置もグラスの位置も手に取るようにわかるラブホ。
部屋に着くとすぐに白雪はお風呂の水を溜めに行こうとしました。
すると
Y氏「あの、お風呂は、入らなくていいです」
と彼がもじもじしながら言いました。
え………。
マジかよ……。
Y氏の性癖って、『風呂に入っていないムレムレのアソコを舐めまわす』とかなの……?
かつて、白雪は何度か経験したことがあります。お風呂入ってほしくない系男子。女性の汗の匂いに興奮する輩。そんな輩を白雪は白い目で見つめ、半強制的にお風呂に連れて行ったものです。
……でもなあ。今回はY氏の性癖に付き合うって約束しちゃったしなあ……。
そんなことを考えていると、Y氏がてきぱきと服を脱ぎ始めました。
WHY???
この一瞬でわたしの顔色をうかがい、性癖を押し殺すことに決めたの??
白雪「あ、いいですよ、お風呂に入りたくないなら……」
Y氏「あ、気にしないでください!!」
とか言いながら、Y氏、バッグから真っ赤な縄を取り出して今度は自分を縛り始めたんだけど。
WHY!!!!!????
Y氏「あああ……ぼく、こうして女性の前で裸になって、拘束されて、転がるのが好きなんです……。は、恥ずかしい……」
真っ白な肌に真っ赤な縄が食い込んだ、太った全裸のおじさんが、白雪の目の前で床に転がっていました。
はあ、はあ、と息を荒くしながら、ティンティンをビンビンにおっ立てています。
……あの。
これ、どうすりゃいいの?
Y氏「見て……見てください。その冷たい目が……たまらない。このまま時間が終わるまで僕を放置してくれていいんです。視界の隅に僕を置いていてください……」
いや、単純に残り3時間ヒマだわ!!!!!!!!
今回の感想『村上Rの影響らしい』
地獄の3時間を終え(ずっと携帯ゲームをしていました)、プレイ後、彼にハンバーグをおごってもらった白雪は、彼がなぜこのアブノーマルプレイにはまったのか聞くことができました。
セックス&バイオレンスをテーマにした小説で有名な村上R氏が、小説を書く際に女の子を呼び、その子を裸にして床に転がしていた、という話を聞いて、キュンと来たんだそうです。
Y氏の性癖……、もうあのプレイに付き合うのはイヤだけど、結婚してただ裸で床に転がっているなら、まあいいかなって思……いや、やっぱいやだわ。