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数千万単位の婚活詐欺被害に注意!! 結婚願望を利用する卑劣な犯罪の存在

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Photo by Nobuyuki Kondo from Flickr

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短期集中連載『婚活女のリアル』

 今週から私の周りの婚活女性たち、その失敗談や成婚までの道のりを紹介していきたい。

 今や婚活疲れから精神病を患う人もいるようで、メンタルクリニックに婚活疲労外来なんていう専門分野が立ち上がったくらい、「婚活」は社会問題になりつつある。婚活のリアルを書く前にまず、婚活サイトで知り合った男女に結婚をチラつかせマンションを買わせる詐欺事件が多発している問題を述べたい。

 一昔前は、婚活する男性からその恋愛感情を利用し、宝石や投資用ソフトなどを購入させるデート商法が流行っていた。実際に、ブランド物や高級品を多数買わせてドロンするキャバ嬢も私の身近にいたくらいである。だが最近は、女性が男性を騙す結婚詐欺よりも、婚活に必死な女性をターゲットにして投資用マンションを購入させる、被害金額の大きなものへとスケールアップしている。女性が男性を騙すより、男性が女性を騙す事件の方が多くなっているようなのだ。なんと、女性の被害者数は男性の二倍である。

 普通なら高額投資の話が出た時点で怪しまなければいけないはずなんだけど、「この男性と結婚したい!」と必死な状態の女性は理性が働かなくなっているうえ、やはり恋は盲目。男性もうまい手口を使って心理的な作戦に出ているのよね。

 記憶に新しい事件を紹介しましょう。

 今年2月26日のこと。婚活サイト利用者の男女12人が、東京都内の仲介会社やマンション販売会社、銀行など14社を相手取り、2億円超の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。彼らは、不動産仲介会社の従業員であることを隠して「婚活サイト」に登録した異性から騙されて高額な投資用マンションを購入させられたという。訴状によれば、原告らはそれぞれ婚活サイトで知り合った異性に「将来設計のため」などと勧められて不動産販売会社を紹介され、首都圏のマンション計14戸を約3億7,000万円で購入。しかし購入後、いずれも異性とは音信不通となり、銀行とのローンが残った。原告弁護団は「仲介会社と販売会社はグル」と売買契約の無効を主張している。

 婚活産業の市場市場は今や600億円。まー儲かる儲かる。婚活もビジネス。入会の厳しい審査がある会社でなければ、「絶対安全」なんて有り得ない。身分確認が適当な業者も存在するし、単に場を提供しているだけという業者もある。私が潜入してきた婚活パーティーなんて、書類の確認すらなかったわよ。そんな婚活サイトやお見合いパーティーの場は、婚活女性をデート商法に巻き込む絶好のチャンスなわけね。

 登録している男性には得体のしれない男性も紛れ込んでいるということだから、くれぐれも要注意よ。結婚願望を弄んだ、悪質なデート商法だなんて……なんと末恐ろしい。

 自分は投資コンサルティングをしているから君も投資をしないか、と最初から持ちかけてくる男性もいるらしい。逢瀬を重ねていくうちに、「君にはマンション投資が向いている」と言われ、購入に至っているケースもある。そして手続き後は男性と一切連絡が取れなくなる。被害事例に共通する特徴は、資金管理に詳しいと自称する相手が個人情報を詳細に把握し、2人の結婚生活をイメージさせて資産運用や節税の手段としてマンションを売り込むところ。

 「二人の将来のため」だなんて淡い期待を誘うような台詞を真に受けてはダメ。不要な投資用マンションを買わされて、音信不通なんて……色恋ホストに通う女よりも哀れだわ。勧められるままにローンを組み、平均約2,600万円の首都圏マンションを購入する女性。きっと甘い生活を夢見ていたのだろう。

 被害にあった女性を調べてみると、独身で一定の収入がある30~40代の会員にターゲットを絞って交際を重ねた様子。恋愛感情が芽生えたタイミングを見計らい、ターゲットを定める狡猾さは本当に悪質だ。1人で3戸買った女性もいたというから、きっと騙す方も相手の収入や年齢などをばっちり見極めて選んでいるのでしょうね。サイトでカモになりそうなターゲットを探す時には、ローン審査が通りそうな30代後半以降で年収も500万円以上、公務員や看護師、銀行員、経営者などのお堅い職種を狙っている。

 詐欺師は巧みな話術と整った容姿で、初日から意気投合しているように見せかけて女性側に入り込んでくる。イケメンで口が上手い男性にはみんな弱いわよねぇ。私は様々な人とお会いする機会が多いから、イケメンにも口がうまい男性にも耐性はある。むしろ、もはやイケメンにはほとんど興味を示さない。慣れというか飽きというか……だってそんな人ゴロゴロ周りにいるんだもの。けれど、お金を払ってでもサイトに登録し出会いが欲しい女性というのは、周囲にめぼしい男性がいない状況であることが多い。イケメンで口がうまい男性が、誠実ぶって騙すのなんて簡単なのかもしれないわね。あくまで推測だけど。

 結婚を焦る女性の気持ちも分からなくはない。けれどそんなセールスマンに引っかかって泣きを見る女性が増えるのを見るのは、私は許せないわ。ブランド物の洋服とかアクセサリー程度ならまだ諦められるけど(それも悲しい現実だけど)、被害金額が大きいとそれだけ精神的ダメージも大きいはず。何より、その男性との「一時の恋愛」だけじゃなく、「結婚後の生活」をイメージしてお付き合いしていたのに、裏切られたという衝撃。その後、どんな良い人に巡り合えたとしても、詐欺被害のトラウマで男性とお付き合いできなくなる女性が増えたりしたらと思うと……あぁ、いたたまれないわ。

 好きになった人に何かしてあげたい気持ちは恋をしている女性になら少なからず共通していることだと思うの。でも、そこで投資やお金の話が出た時点で必ず家族や友人に相談すること。客観的にその男性を見ることができないといつこんな例が自分の身に降りかかるか分からない。くれぐれもご用心していただきたいわ。

 だけど、婚活サイトで良い男性に巡り合えて幸せになった女性だっているんだから。婚活女子の皆さん、希望を捨てちゃダメよ。

 次週は最新の婚活事情や周りの婚活女性のエピソードを紹介するわね。

asumodeusu

アスモデウス蜜柑

好奇心旺盛な自他共に認める色欲の女帝。長年高級クラブに在籍し、様々な人脈を得る。飲み会を頻繁に企画し、様々な男女の架け橋になり人間観察をするのが趣味。そのため老若男女問わず恋愛相談を受けることが多い。趣味は映画鑑賞で週に3本は映画を見る。