
18禁出会い系実況!
映画『ジョーカー』が鬱映画だけどすごく面白いと聞いて気になっていたの。
R15なのに、映画観客動員ランキングが3週連続1位。ウワサでは『ダンサー・イン・ザ・ダーク』級の暗い話だって聞いたけど、これは見るっきゃないって思った。
早速、マイ・出会い系男子リストを開き、「映画ジョーカーって面白いらしいよ~」と一斉送信!
すると、M氏という男性からこんなメッセージが届きました。
「映画はほとんど見ないんだけど、魔夢子ちゃんとなら見たいよ。一緒に映画見て感想を言い合うことに憧れてたし。お互い、正直に感想を言い合おう!」
M氏はうちから『50㎞以内』に住んでいる男性(アプリの機能で見れる)。プロフィール写真には首にネックウォーマーをかけている爽やかな男性が写っています。仕事は職人をしているんだって!
映画館まで送り迎えしてくれそうだし、本音で映画の感想を言い合ったら、ぐっと距離が縮まりそう。ベッドでいちゃいちゃしながら、「俺たちはいまある幸せに感謝しなくちゃね」なんて言われて、たくましい腕で抱いてもらって……うくく。鬱映画のあとは情熱的なセックスで〆ですね!
俺の仕事は「クソのカス」
待ち合わせの日。雨がしとしと降っている中、私はM氏の車に乗り込みました。車は使い古したミニバン。「仕事で車使うし、めちゃくちゃ移動してすぐ乗りつぶしちゃうから、高いのは買えないんだ~」だって。
ぶっちゃけ車なんて何に乗っていても気にしないし、M氏は写真通りの爽やかフェイスの男性だったので、この時点ではとてもわくわくしていました。
おすすめのイタリアンのお店でランチを食べようというので、わくわくしながら向かい、1600円のパン食べ放題パスタコースを注文。さあ、楽しいお話をしようと思い、M氏に何気なく「仕事は楽しい?」と聞きました。
すると、彼はこう言いました。
「クソのカスだね!」
……んん??
クソのカス……?
「あんな仕事、マジで意味ないと思うよ。俺、高校卒業してそのまま学校の紹介でこの仕事ついたけど、マジカス。つまんねー仕事だし、俺じゃなくてもできるし、俺、狭い世界の中で一生の仕事決めちゃったんだなーってマジ後悔しかない」
出るわ出るわ、愚痴の嵐……!! パスタ食ってんだから、「クソ」とか「カス」とか連呼すんなよ!!
心理学をちょっとかじったことのある白雪。男性が仕事の愚痴や悪口を言うときは『本当の自分を見せたい気持ちの表れで、あなたに気に入ってもらいたいのです』とかいう本を読んだことがありますが、本当かいな!!?
つまりお前も底辺の男
結局、「仕事はクソのカス」という話だけで食事が終わり、映画『ジョーカー』を見に行くことに。
M氏はともかく、映画は最高でした。主役のホアキン・フェニックスさんの演技も素晴らしかったし、脚本も本当によかった。不幸をただただこれでもかというほど見せられるのかと思いきや、ところどころに希望の光が見えて、好転するのかな!? と期待とともに見ているとその希望がことごとく裏切られていくという作り方。だからこそ、ダークヒーローという形でも最後に主人公がヒーローになれた瞬間、なんともいえない共感が生まれました。「この世界に報復を!!」みたいな。
映画を観終わり、横を向くとM氏が呆然とスクリーンを見ており、「そうだよねえ。しびれちゃうよねえ」と思った白雪。しかし……。
M氏「なにを見せられたんだ!?」
白雪「ほんとだよねえ。すごい作……」
M氏「満員の客がみんなポカーンだよ!」
白雪「うんうん」
M氏「マジ金返せだわ~」
白雪「え……?」
M氏「底辺の男の転落人生見させられただけじゃんね。魔夢子ちゃん。俺だって毎日絶望だわ。俺のドキュメンタリーも作ってほしいわ」
白雪「…………」
あんたの不幸とジョーカーの絶望を一緒にするんじゃねえ!!
よくこの空気でいきなりヤレるね?
ホテルに着いてお風呂に入り、ベッドに入ると、M氏は「車で来たから酒飲めねー。飲んじゃおうかなあ。泊まっていって明日の朝帰るってのもありかな」と言い出しました。
やめて!! 絶対やめて!!
私、終わったらすぐ帰りたいんだよ!!
その私の「帰りたい感」が空気に出てしまい、部屋の中はしーんと静まり返りました。
M氏がテレビをつけるとAVが流れ出し、チャンネルを変えるのかと思いきや、なんとM氏、そのAVをつけたまま「これとおんなじことしてみよう」と提案してきました。
『同じこと』もなにも、AVはすでに佳境。男が女の子を抱えて後ろから挿入して、女の子があんあん喘いでいるという状況です。
これをどうやって真似すんの……と思っていたら、後ろからひっぱられ、M氏が指に唾をつけはじめました。うわあ……マジムリィ……。
〇今日の感想『合わない男はとことん合わない』
私もM氏もテレビを向きながら座った体位で、観客はテレビ……。
一体、ダレ得!? 何にむかって見せつけてるの!? って終始、私は冷静なまま、同じ体位で喘いでいるテレビの中の女優さんを見ていました。
会話が合わない男とはセックスも合わないものですね……。