毒の沼をご存知? RPGによくある、沼に入ったら体力がちょっとずつ削られていくヤツのことよ。
30歳を過ぎてから、私は「あ、沼に入った」と思ったの。
『ドク・シン!!』『ドク・シン!!』『ドク・シン!!』
『独身』と言われるたびに、ちょっとずつ毒によってHPが削られていくってわけ。
毎週、いろんな男とセックス三昧だけど、恋にはピュアだった。そう、図書館で同じ本を触っちゃったり、喫茶店で隣に腰かけたジェントルマンと仲良くなったり……、そんな恋に憧れていたの。
とはいえ、messyのコラムを書いているあたいは毎週デートの約束があったから、婚活からは遠ざかっていたわ。
そんな私に担当編集さんが衝撃の言葉を発したのは今月の初めのこと……。
「messy、10月で更新終わります!!」
ぬあにいいいいいいいいいいいいいい!!???
マジよ、ガチよ。大変よ。
messyが終わるんですよ!!
悲しくてやりきれなくてちょっと呆然としちゃったけど、担当編集さんにこう言われたとき、目が覚めた。
『この連載も残すところあと2本、
書いていただけるちんこもあと2本。
いい出会いがありますよう』
そうだ!! 私、チンコ探している場合じゃない!! 彼氏を探さねば!!
もう自然な出会いとか言ってられない。
messyの最終回を「出会い系をしていたら幸せになりました~!」で〆たい。
そう思った白雪は、すぐにマッチングアプリを開き、30代のイケメンにイイネをすることにしたのです。
~一週間後~
私は屍のようにぐったりしていました。男性とマッチングするにはするんですが、全然トークがもたないんですよ!!
今までは「○○さん、マッチングありがとうございます~!私、エッチなことに興味があるんですけど、○○さんはどうですか笑」みたいなお股かるかるなコメントをすれば、7割の人が食いついてくれて、そのまま毎週のデートに持ち込めていたわけですが、今回は『恋愛目的』。おまたかるかるメールは送れない……。ぐぬぬ……。
まさに羽をもがれた蝶よ、わたしゃ……。
このままじゃ、せっかくの最終回を『幸せになりました~♡』で〆れねえよ……。
しかし、『恋愛』という目でマッチングアプリを見てみると、イケメンの普通過ぎるプロフィールより、モテない男たちの毒のあるプロフィールのほうが目に留まるようになってきました。せっかくなので、その一部をご紹介します。
謎の目線でマッチングアプリを語る男
プロフィール文冒頭に「プロフの代わりにアドバイスをします」と書いていたH氏。彼は1000文字を使って、以下のことを書いていました。
- 写真は顔を映すように。無理ならスタンプで顔を隠したり、後ろ姿を載せるように。それもだめなら好きなものの写真でも良し。画像がなにもないとせっかくの写真枠が意味のないものになってしまう。
- コミュニティはほかの人が登録しているアイコンをタップすれば、参加ボタンを押すことで簡単に登録できる。
- いいねが来たからといってもメッセージのやりとりをしないなら「イイネ」を押すな。サクラ行為と一緒だ。
- メッセ―ジのやりとりをして合わなかったら、ちゃんと相手に「ごめんなさい」と申し出よう。いきなり連絡を切られたら、失礼だ。
前半はたしかにアドバイスでした。でも後半はH氏の個人的な恨みじゃね……?
最後のほうに『色々書き連ねましたが、もし興味をもっていただけて会う気があるならイイネをください』と書いてあったけど、そこまで言われたらみんな怖くて押せないって!
一言メッセージに不穏な言葉を書く男
プロフィール写真が「なにもない茶の間」だったT氏。テーブルの上には発泡酒と食べかけのたくあん。つけっぱなしのテレビ。ヒーター。でも、そこにT氏の姿はありませんでした。
切なくさせるのはそれだけではありません。
プロフィール文章が明るく楽しげなのに、一言メッセージにぽつんとこう書いてあったのです。
『親と縁切って孤独になった』
かなしすぎるうううう!!! イイネ押しづらいいいいい!!
ごちゃごちゃ文句を書く男
「少しでもいいなと思ったら、いいねしてもらえると嬉しいです!!」と書いてあったので、文章を読み進めていくと……。
「連絡遅い人はムリっス!」
「このアプリ長くやってる人も遠慮したいです!」
「初回、男に金出させる人もNG!」
「タバコ吸ってる人もNG!」
「シンママ、ごめんなさい!」
「遠距離は寂しいので近場の人で!」
出るわ出るわ条件の嵐!!
入っているコミュニティに『寂しがり屋のかまってちゃん』とあったけど、40過ぎてそんなワガママ言ってたら、誰もかまってくれない……よね?
カタコトの男
T氏は生まれも育ちも日本のはずなのに、なぜかカタコト……。
『娘、いる。もう一人欲しいかも? 娘、高校生。だから平気。なにが? は?笑』
となぜか自分で自分の言葉にツッコミを入れ、笑うという狂気を秘めていました。
『おしゃれ、好き。娘、そうでもない。だから口出しする。娘、いつも同じ服。だめだよ?』
こんな文章がずらずらと続いていく。シンプルに怖いよ……。
この文章から女性に何をアピールしたいのか分からないところがさらに恐怖を増している気がします。
美人は好きだが自分の顔は出さない男
『美人さんにポチポチしています』というM氏。しかし、自分の写真は一切出していません。
「活字ではなかなか僕の良さをお伝えすることが難しく、表情を見ながらお話させていただきたいので、はやめに会いたいです!写真がなくてごめんなさい。皆さんも不安ですよね。ぼくも不安なので安心してください!」と〆ていました。
なぜ、美人の写真にポチポチして自分の顔を一切出していないお前が不安になるのか。
この逆パターンで、めちゃくちゃかっこつけた写真の男性で『100歩譲って明るいブスでもアリ!』と書いていた男性もいましたが、私はこの男性にイイネした78人の女性は彼の顔とチンポしか見てないと思ったんだ。
結局どんな相手でもOKな男
『趣味はゴルフ!』と自己紹介していたN氏。「趣味が合う女性と出会いたい」と語っていたので、ゴルフができない女性はアウトなのね~と思いながら見ていくと……
『趣味があえばいいですが、あわなくてもいいです!』
え?
『いっぱいコミュニティに入ったので、少しでも共通点がある人はイイネをしてください。共通点がなくてもよろしいです!』
結局、どんな女でもいいんやないかーい!!
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彼らは誰かとマッチングしたのだろうか……。
菩薩のような目で私はそっと彼らに『いいね』を押しました。
結婚相手にはできないけど、セックスならできるよ……私。
やっぱり、私、婚活は諦めてチンポを探そうと思います。もう仕事じゃないけど……。
これからも、白雪はひとりで『出会い系実況』を続けます!!
この2年間、いろんなチンポに出会って、時にはひどい目にあったり、極楽を味わったりいろいろあったけど、本当に楽しかったです!
みんな、今までありがとう!!!! そして、ありがとう、messy!!