先月からスタートしたばかりの『東野幸治のナイモノネダリ』(TBS系)は、毎週火曜日の23時58分から放送されているトークバラエティーである。同じ職業や似た境遇の有名人がスタジオに集まり、それぞれが欲しいと思う“誰かのスキル(能力)”を発表。他者への憧れを語る中で、ゲストたちが自分の職業に対して思い描く“理想像”から“コンプレックス”までが浮き彫りになっていくのである。誰かをけなしたり悪口を言うことは一切なく、純粋な気持ちでただひたすら憧れては褒めまくるという、なんとも平和な時間が流れる番組なのだ。
3月11日の放送では「実力派女子アナが欲しい誰かのスキル(能力)について語る」というテーマで、元TBS・渡辺真理(46)、元フジテレビ・近藤サト(45)、元日本テレビ・松本志のぶ(44)、元フジテレビ・木佐彩子(42)という、元局アナとして人気を博し現在はフリーアナウンサーとなって活躍している実力派女子アナの面々が集結した。番組冒頭では「TBSはなんとなくジメっとしている」「フジテレビは明るい、楽しい」と、MCの東野による各局アナウンサーへの勝手なイメージが発表されていた(おそらく他の局のイメージもコメントしていたのではないかと思われるが、放送では割愛されていたのでわからず残念……)。
まず、トップバッターとなったのは今回のメンバーの中でも一番先輩格である渡辺アナから。彼女が欲しいのは、「アナウンサー“A.S”の卑屈でも許されるスキル」というものであった(トーク始まりは全てイニシャル表現で、もったいぶるのがこの番組のお約束)。一般的なアナウンサーであれば、「印象が爽やか」「ニュートラル」「無色透明」「いつもニコニコ」というイメージが付いているものなので、渡辺アナもできるだけ「無色透明」でいようとして、ネガティブな部分は出さないようにしているそうだ。
けれども、同じ局の後輩であった“A.S”はその真逆を行っていたらしく、
「超ネガティブキャラがなぜかとても面白くって、しかも誰にも負けない好感度に繋がっているところかスゴイ!」
と、絶賛していた。果たしてその人物とはいったい誰なのか? おそらく視聴者の多くが想像できただろうし、私もすぐにわかったのだが、それはTBSの超売れっ子アナウンサーである“安住紳一郎”であった。スタジオの出演者たちも納得の人物だったのか、「あ~!」と大きく頷いていた。
実力派女子アナによる安住紳一郎分析
渡辺アナは安住アナとのいくつかのエピソードを挙げていた。久しぶりに会った時などには最初の挨拶で「どうせ真理さん、オレのこと覚えてないですよね?」と、早速ネガティブワードの「どうせ」から入っちゃう安住アナ。そのネガティブさは先輩である渡辺アナに対してだけではなく、周りのスタッフに対しても発動されているそうだ。
「(そんなネガティブキャラ)なんだけど……、こんなに好青年!」
と、渡辺アナはその現象を不思議に感じつつも、安住アナの好青年イメージを強く認めていた。東野も「好青年でしょうね~、日本中のおばさんのハートを鷲掴みと言うかぁ」と、安住アナのスキルを高く評価するのだった。
同局で放送中の安住アナがMCを務める『ぴったんこカン・カン』の過去放送映像も流され、アナウンサーらしからぬ卑屈な発言で場を盛り上げるシーンが映し出された。そうそう、ネガティブ発言後からその反動で周りを笑わせる能力が安住アナはズバ抜けているのである。
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