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クソ男は女子のことを「ヤレるorNOT」で分類してるってホント?

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 男にとって、女は2種類しかいない。ヤレる女か、ヤレない女である──。というのは誰の格言でもありませんが、「男って女のことを『ヤレるor NOT』で分類してる感じがして怖い」と語る女子は少なくありません。今回は、このいかにも“さわるな危険”なテーマについて、男子への取材なども交えながら考えてみました。

清田代表(以下、清田)「これは恐ろしいテーマですね……。ヘタなことを言うと、女性たちからも袋叩きにされかねない」

佐藤広報(以下、佐藤)「ですね……」

森田専務(以下、森田)「男はなぜ女を『ヤレるor NOT』で分類するのか……まずはその理由を考えてみましょうか」

佐藤「最初に言っときますけど、私はもうそんな分類してませんよ!」

森田「てことは、昔はしてたんだね(笑)」

清田「思うに、こういう二元論で考えてしまうのは、単純に女子について無知だからというのが大きいような気がする。というのも、僕と広報は中学高校と6年間男子校だったんだけど、そこではまさにこの考え方が支配的だったじゃないですか」

佐藤「男子校の学生が女子と出会う場って、ほとんどが合コンなわけですよ。そこではお互い、男モード/女モードになっている。だから、女子のことを性的な対象か否かだけで判断するようになる」

清田「共学の学校みたいに、女子と同じ班で勉強したり、文化祭で共同作業をしたりすることがないから、女子の多面的な部分を見る機会がまったくない。だから、二元論の価値観がなかなか是正されないんだよね」

森田「二人とも昔は、『対象』じゃない女子に対して冷たかったよね。共学出身の俺からしたら、ずいぶんシビアなヤツらだなあって感じだった」

清田「ホントそうだよね……。個人的には、大学に入って女子と同じクラスになったり、それこそこの桃山商事の活動を始めたりしてから、アホなこと言う女子とか、似たような悩みを持った女子とか、いろんな人がいるんだなあと、すごく見方が広がったような気がする。男女の間柄って何も性的な関係や恋愛関係だけじゃないことに、大学生になってようやく気づいた感じです……」

森田「遅すぎる(笑)」

清田「何が言いたいのかというと、女子のことを性的な対象としてしか見れないというのは、つまり相手のことを知らなさすぎて“ひとりの人間”として扱えないってことなんだと思う。これは何も男子校出身者に限った話ではなくね」

佐藤「それってさ、子供の親に対する見方にも似てるよね。“親”という視点でしか見ないから、親にもいろんな面があるってことを想像すらできない」

清田「今回いろんな男子に取材してみたんだけど、二元論的に考えてる人は実際にたくさんいた。ある人はアドレス帳に『ヤリたい女フォルダ』というのを作っていて、セックスしたくなった時はフォルダ内の女子にメールを絨毯爆撃するらしい。別の人は、『つき合いたい』『セフレにしたい』『1回だけヤリたい』『それ以外』で出会った女性をA〜Dランクに分けているとか。そういう話をもう、嬉々として語るわけですよ……」

森田「男同士でこういう話をするから、ますます『ヤレるor NOT』で分類する価値観が強化されてしまうという側面があるような気もする」

レッテルを貼り、コミュニケーションを楽にする

清田「一方でさ、仲のいい男友達から『お前ってマジで男だよな~』と言われて傷ついたという女子の話もよく聞く。男はこれを『お前は仲間だぜ』くらいの意味で言っているのかもしれないけど、ものすごく失礼で残酷な言葉だよね」

佐藤「『ヤレるor NOT』の『NOT』フォルダに入れる場合、そうやって男扱いするか、存在を無視するかだよね。これってつまり、自分の女性観が幼稚であることを露呈してるようなものだと思う」

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清田代表/桃山商事

恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表。失恋ホスト、恋のお悩み相談、恋愛コラムの執筆などを通じ、恋愛とジェンダーの問題について考えている。著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)や『大学1年生の歩き方』(左右社/トミヤマユキコさんとの共著)がある。

twitter:@momoyama_radio