連載

遂に『いいとも』最終回! 最後まで気負った姿を見せなかったタモリのスゴさ

【この記事のキーワード】
「いいとも!論」サイゾー

「いいとも!論」サイゾー

 つ、つ、つ……、ついに、終わってしまった……。昨年10月22日の涙の番組終了発表から(その時のレビューはコチラ)あっという間に半年が経ち、お昼の人気長寿番組『森田一義アワー 笑っていいとも!』(フジテレビ系)が3月31日の放送で最終回を迎えた。もうラスト1週間となった辺りから、そわそわしてしょうがなかった。最終回にはスタジオアルタまで駆けつけようかと考えたりもしていたのだが、やはりいつものようにテレビからその最期を見届けることにした。おそらく番組終了発表の時以上に、私は泣いてしまうだろうと思ったから。案の定、『いいとも』が始まった直後から、私の感情は高ぶって涙腺が早くも緩み始めていた。そして、今も泣きながらこのレビューを書いている。

 番組冒頭では、毎年同局で放送されていた年末特番『笑っていいとも! 特大号』のオープニングシーンのようにスタジオには大きな垂れ幕が下がり、その前にタモさんが牧師姿で登場。

「『いいとも』最終回です。今日は朝から私、涙がスゴい出まして……」

 と番組が最終回を迎えて感傷に浸ってると見せかけたのだが、スタジオには笑いがどっとこぼれた。観覧席のお客さんたちから「嘘だ~」「(そんなはず)ないない」とすぐに見破られてツッコまれたタモさんは、「違う違う、花粉が多いなぁということで」とイタズラっぽく素早く切り返してみせると、さらにスタジオを湧かせていた。

 本番前にニュースで見たという時事ネタなどの話題を交えながら、本日で8054回目の放送となった『いいとも』を振り返って、一番の思い出は、“青汁”だったこと明かした。「まっずいの! あれ飲んだ後、お笑いやる気しません!」と“青汁”への憎しみを露わにしていた。32年間の放送の中で、一番の思い出が「青汁のマズさ」って~!

 そして、牧師らしく「神の言葉をお伝えします」と、持っていた聖書の開いたページを読むことにしたタモさん。観覧客から「ストップ!」と言われたページを開くと「えーと、英語でした……」と“英語だから読めないオチ”を付けたところでスタジオ大爆笑。その盛り上がったところですかさず、「『いいとも』最終回行ってもいいかな~?」「いいとも~!」の掛け声で垂れ幕と共に最終回の幕が開いた。

 いつものオープニングテーマに乗せて『森田一義アワー 笑っていいとも! 最終回』というテロップが画面に映ると、いよいよ終わりなんだという切なさが突き刺さった。久しぶりにテーマ曲を歌うタモさんにスタジオは大盛り上がり。私は個人的にこれを、ずっと聞きたかったんです。タモさんは「司会者が歌って登場するのは違和感があるから」という理由でテーマ曲歌うことを止めてしまったけれど、「これぞ『いいとも』のオープニング!」という気分を久々に味わえて嬉しくなったのである。

 月曜レギュラーがスタジオに現れると、タモさんは「今日は夜があるんで(『笑っていいとも! グランドフィナーレ 感謝の超特大号』の放送)、これが最後って気があんましない」とあっけらかんとした心境を打ち明けていた。お昼の放送が最終回ということで早くも泣き出した指原莉乃に「俺の歌唱力すごいだろ~?」と自慢気に話すお茶目なタモさんであった。

豪華すぎるテレフォンショッキング

 最後のゲストを迎えることになった「テレフォンショッキング」コーナーには、紋付き袴の正装でビートたけしが登場。スタンドマイクが用意されると、たけしさんはタモさんへの“表彰状”を読み始めた。「この表彰状は全てゴーストライターが書いたもので」と佐村河内守氏のゴシップネタを絡めながら、“いいとも青年隊”だったH賀研二(羽賀研二)の名前を挙げたり、番組に起こったハプニングなどのギリギリアウトな内容を盛り込みながら読み上げていた。そんなたけしさんの無茶苦茶ぶりに、タモさんもスタジオも大爆笑であった。

 やっと2人ともセットの席に座ると、たけしさんは『いいとも』の司会者オファーは当初タモさんの他にも、自分と明石家さんまにも来ていたことを明かした。「それ聞いてない!」と最終回にして自分以外の司会者候補を知らされて驚いたタモさん。オファーは来たものの、たけしさんは「はなから俺は相手にされてなかった」と、仕事をすぐにズル休みしがちな自分には、月曜~金曜まで毎日出なきゃならない番組の司会者は向いてないと悟っていたようだ。確かに同局でかつて人気を博した伝説のバラエティー番組『オレたちひょうきん族』とかも、週1回の放送でさえよく休んでたもんな~。それはそれで面白かったけど。

1 2

テレ川ビノ子

テレビが大好き過ぎて、頼まれてもいないのに勝手にテレビを全般的に応援しています。おもしろテレビ万歳!