【短期集中連載:顔面崩壊】2

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中韓で、アゴの極端に細い逆三角形顔=カマキリ顔が流行しているという。目が昆虫のように大きく、高く長めの鼻に、顎がキュッと尖った小顔。「みなしごハッチ」のカマキリおじさんのように歯は出ていないが、まさにカマキリのような容姿でアニメ風だ。やりすぎると奇妙な顔にしか見えなくなってしまうのだが、顎の骨を削ったり脂肪や筋肉を除去する美容整形手術を受ける女性が後を絶たないそうだ。まさに整形カマキリ大量発生中。
異常なまでのデカ目と小顎で日本でも特に有名なのは、中国でモデル活動をするKOKOだろう。数年前からネット上で彼女の画像が話題となり、「ギャアアアア」「マジで怖いんだけど」「宇宙人みたい」と散々な言われようだった。しかし彼女の場合、整形だけでなくフォトショップとメイク技術による部分が大きかったのかもしれない。最近の画像を見ると、美を超越したデカ目メイクや鼻筋の陰影は抑えめで、「ちゃんときれいな整形美人」の枠におさまっている。

おっぱいは相変わらず。
また、同じく中国でモデル活動をするディナ・レオパードも「歯が生えそろっているのか?」と疑問に思うほど鋭角なアゴの持ち主。本人はブログに「この顔は天然です」と書き綴り、すっぴん画像も載せているが、実際のところは……? ここまでいくと小顔というよりは面長な印象が強くなってしまう。
そして最近、一躍「この整形美女がスゴイ!」として騒がれたカマキリ顔ニューカマーは、なんといってもAV女優の七瀬リナだ。4月、彼女が自身のTwitterにUPした自撮り写真で、あまりに顎が細く小さかったために「宇宙人か!?」とネット上は一時騒然としたのだった。彼女はもともと別名義でAV女優活動をしていたのだが、数年前と現在とでは顔の違いが歴然。二重手術や鼻の手術などを受けた直後の、腫れがひかない生々しい傷痕も大胆に公開している彼女ゆえ、整形疑惑などどこ吹く風かもしれないが……。何より彼女、驚くことに、身長160cmにして体重がわずか34.4kgしかない。そのガリガリぶりが、奇妙な印象を増幅させているようだ。

七瀬さん、確かに顎が小さいです

昔の写真だそうです。涙袋…。
ただ、正面上側からの自撮りだと確かに少々奇妙ではあるが、それ以外の写真での彼女はむしろかわいらしく、どこか紗栄子似の女性であることを補足しておきたい。盲目的に美を追求し、あらぬ方向へとんでしまうタイプではないのかもしれない。

あれっ、可愛い!尖ってない!

大丈夫、可愛いです。
日本の芸能界では、坂口杏里や板野友美が「顎が凶器!」と揶揄されることもあるほど、尖った顎で有名だ。両者とも、デビューしたての若かりし頃は丸顔だったのが、今は完全に逆三角形の顎を手に入れている。また、前田敦子や栗山千明も「エラを削った」あるいはボトックス注射を打ち、エラを目立たなくしたのではないかと見られている。安室奈美恵が大流行しコギャルブームがあってから久しいが、今では小顔は「可愛さの必需品」になっている。今、日本ではどちらかといえば幼児的な印象の「丸い輪郭・デカ目」がカワイイの主流だが、流行の波はいつ変わるともわからない。日本でも「三角輪郭・デカ目」のカマキリ顔が流行る日は来るのだろうか。
ちなみに、シワ伸ばしや小顔効果を期待されているボトックス注射だが、「プチ整形」といいながらこれにもリスクはある。注射後、たとえば口角が片方だけ上がらなくなってしまったり、顔面の一部の筋肉が思うように動かなくなることも。また、成功していても数週間は奥歯が痛くものを食べづらい期間が。
そして小顔を目指してエラを削るのは、実際は非常にリスクの高い施術であり、誰もが気軽に手を出すべきものでもない。左右対称に仕上げるのは医師にとっても困難な作業であるうえ、頸周辺を通る多くの神経を傷つけてしまう懸念も避けられない。削り過ぎによって歯が抜け落ちた事例や、後遺症で涙が止まらなくなり将来を悲嘆して自殺した女子大生もいる。最悪なことに、韓国では昨年、両顎と鼻の形を変える整形手術を受けた直後に意識不明となり死亡するという事故も起きた。命あってこその美しさだということに、気付くことができれば……。
(犬咲マコト)