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日本の女子に元気をくれる! ヒゲ女装の“レディビアちゃん”に大注目

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彼は何者!? 初の写真集が順次発売中

 筋骨隆々の巨体にゴージャスな胸毛をたくわえたヒゲ面の白人男性が、身にまとっているのは、ビキニ×ミニスカ。あるいはセーラー服、あるいはいかにもエロいナースコスプレ。異形といえば異形ですが……それがとってもKawaii!!!

 ヒゲ女装という前人未到のジャンルを、満面の笑顔で切り拓いていく彼の名前は「レディビアード」。レディビアちゃんの愛称で知られています。いったい何者なの? と問われると、説明するのはとても難しい。オーストラリア出身のプロレスラーであり、ヘビメタシンガーであり、パーティロッカー。ときに俳優業もこなしながら香港、台湾で活動をし、初めての来日は2011年……などの細かい説明は、はっきりいってどうでもいいんです! 今、誰よりも全力で「Kawaii」を体現している人ーーこれが、彼の肩書きといっていいでしょう。

 昨秋から日本を拠点に活動しているレディビアちゃんが今月18日、初の写真集となる『LADYBEARD PHOTO BOOK, “Sing, Dance, DESTROY!”』を発売しました。全国のヴィレッジヴァンガードで順次、販売されるこの本で、さまざまなコスチュームに身を包むレディビアちゃん。メイド服、JK(女子高生)制服に着物姿……どんなコスチュームでも変幻自在に着こなすうえに、ポージングがとてつもなくキュートなんです。

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 渋谷の黒ギャルグループとのコラボレーションによる、強めギャルメイクで渋谷を闊歩するカットは圧巻! いずれの写真も見ているうちに「女装って何だっけ? 女性性って? マッチョって??」と、これまで女性/男性と線引きしていたものが曖昧になり、女子の専売特許だと思っていた“カワイイ”には私たちの知らない領域がまだまだあると知り、いろんな固定観念がガラガラと音を立てて崩れていきます。それがとても気持ちよく、もっともっとレディビアちゃんと出会いたくなり、ページを繰る手が止まりません。

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これまた異色の女装(!?)で知られる、セーラー服おじさんと!

 18日には「ヴィレッジヴァンガード渋谷宇田川店」で発売を記念したイベントも開催されました。集まったファンは、9割が女性。なかには親子連れの姿もありました。トップ画像と同じビキニ姿のレディベアちゃんが登場すると、一斉に「カワイ~イ♡」の歓声! まずはミニライブで、国生さゆりの、というか渡り廊下走り隊の「バレンタイン・キッス」を披露。かわいいアイドルダンスを見せたかと思いきや、サビではいきなりヘビメタに変調。ヘドバンするたびにツインテールが激しく揺れ、シャウトで歪むお顔がまたチャーミング。そして、汗で濡れていく胸毛にドキドキです。

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アイドルスマ〜イル! 撮影:星人ちゃん

「私はずっと前から日本のアイドルが好きで、その人たちはみんな写真集を出していた。だから自分も写真集を出したいと思ってはいたけれど、来日して7カ月で出せるとは思わなかった。すごく嬉しい!」

 と日本語で挨拶してからの2曲目は、宇多田ヒカルの「First Love」。もちろんヘビメタver.で! 写真作品とはまた別の、躍動感あるレディビアちゃんを見ていると、これこそ世界の各地でパフォーマンスしてきた彼の真骨頂だということがよくわかります。

 ここ日本でKawaii格好をしてパフォーマンスしている今が、嬉しくてならないということを全身で表現するレディビアちゃん。日本に女性として生まれ、暮らすなかで生きづらさを感じることもしょっちゅうだけど、自分から楽しもうとすれば、そんな屈託も払拭できるかも!? そんなふうに日本の女子に元気をくれる彼から目が離せません!

■レディビアード
写真集の発売状況は公式告知サイトをチェック
Twitter @ladybeard_japan

(取材・文=三浦ゆえ)

三浦ゆえ

フリー編集&ライター。富山県出身。複数の出版社に勤務し、2009年にフリーに転身。女性の性と生をテーマに取材、執筆活動を行うほか、『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』シリーズをはじめ、『失職女子。~私がリストラされてから、生活保護を受給するまで~』『私、いつまで産めますか?~卵子のプロと考えるウミドキと凍結保存~』(WAVE出版)などの編集協力を担当。著書に『セックスペディアー平成女子性欲事典ー』(文藝春秋)がある。

twitter:@MiuraYue