
Photo by Sigfrid Lundberg from Flickr
ピンク映画、観てきました。ツアーに参加しての鑑賞でした。R18の成人映画館に徒党を組んで行くの? と言われそうですが、この手の映画館は女性がひとりで行くには向いていません。“ハッテン場”となっている所も多く、女性客が痴漢に遭うリスクも高いとか……。場所によって、あるいは曜日や時間帯によっては安全に観られる時もありますが、おおむねそんなイメージです。
今回訪れたのは都内の某劇場。上京したての頃、通学で利用していた電車の窓からこの映画館が見えていました。さらに背後にはホテル街や風俗街が広がっていて、実際に近づくことはありませんでしたが、その一角から立ち上っている、いかがわしい雰囲気が気になって仕方なかったものです。こうして思い出してみると、まるで異世界のように思っていた成人映画館も、日常と地続きにある場所だったんですね。
今回は『SEX実験室 あえぐ熟巨乳』(監督:山崎邦紀、2013)と『SEXファイル むさぼり肉体潜入』(監督:浜野佐知、2012)という2本を鑑賞しました。実は私、昨年からこの浜野佐知監督のファンなんですよ。1968年にピンク映画界の世界に飛び込み、以来、数百本の作品を世に送り出している女性監督で、男性を勃起させるためのピンク映画界にありながら、その作品は女性にとって痛快! たくさんの支持を集めています。
ド直球のタイトルを見て、もうひとつ思い出しました。子供のころ、性的な刺激……まだオカズという認識はなかったけど、なんだかエロい気分になれるものを求めていた私ですが、おカタめの家庭という環境では性の匂いがするものがありませんでした。それでも何とかして見つけ出した唯一のものが、新聞の映画情報欄でした。
当時の地方都市では、映画の上映時間は新聞でチェックするのが常でした。ハリウッドの人気大作やアニメ映画とともに、ピンク映画の情報もありましたが、そこに踊る文字は子供心に“イケナイ”感じがしてドキドキしました。団地妻、未亡人、情事、調教……そこから何かを妄想するにはまだ早い年齢でしたが、なぜか字面だけで興奮できました。こう考えても、ピンク映画とこれまで無縁だったわけではないと実感します。
しかし、実際に映画館で観るとなると、話は別です。今回は男女混合10数人のグループでお邪魔しましたが、事前に下見をしてくれた人の話だと、ここはかなりのハッテン場で、映画そっちのけでおイタしている観客のあえぎ声まで聞こえてきたとか……。私たちが大勢で乗り込んだせいか、この日はそんなハプニングはありませんでしたが、上映中にウロウロと徘徊するオジサンはいました。エロいことをできる相手を物色しているのか、それともノゾキ目的か……。やはり女性だけで観にきても、安心して鑑賞できそうにないですね。
スクリーンいっぱいの巨乳
そして始まった『SEX実験室 あえぐ熟巨乳』に、私は度肝を抜かれました。ネットの世界に無尽蔵といっていいほどのポルノグラフィが溢れている今、それらとピンク映画の1番大きな違いは、画面の大きさです。単純な話でスミマセン。今回の劇場はスクリーンが小さめでしたが、それでもPCやテレビ画面と比べると格段に大きいし、そこに裸体がいっぱいに映し出されれば圧巻です。しかも、メインの女優さんが超巨体! 巨体で、巨乳。有無を言わせない迫力でした。
バックで交わっている時なんか、男性のピストン運動に併せてオッパイがぐるんぐるん旋回するんですよ! これには目が点になると同時に、自分がこれまで「巨乳」というものを知らなかったことに気付かされました。私自身のサイズはたいしたものではなく、AVなどでも巨乳ものはあまり観ずにきました。そこにあったのは、まったく未知の肉感でした。揺れ動く様子は、まるで別の生き物! 巨乳は好むとか好まないとかじゃなくて、とにかく「凄い」存在なのだと、今更ながら知りました。興奮とは別の種類の感動がありました。
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