ぴ「インドではコルカタの『鬼女(カーリー)寺院』で洗礼も受けたの。カーリーは女のための破壊と殺戮の女神……業の深い私にぴったりだと思って。
でもね、洗礼を受けた女だけがもらえるお札が、握手券とまったく同じサイズだったの……!!
これはもう運命だなって思って……業を手放すのは諦めました。
むしろますます業が深くなって日本に帰国しました。インドって、解脱するところじゃなくて、欲望がますますパワーアップするスポットなんだと知りました。
個展『鬼女』では、アイドルとの2ショットやお気に入りのブログ画像をびっしり敷き詰めたモザイク画で、鬼女(カーリー)の御神体を再現しました」
――ひぃ! 怖すぎて、まんこが膣けいれんしちゃうよ!
ぴ「お陰で帰国後は、全身全霊で作品作りに集中できました。ずっと自分には苦手だと思っていたパッチワークが、実はとても向いていることにも気付けました。
(切り刻んだペニステキスタイルを用い、リボンや家などのかわいい図柄を丁寧にパッチワークにした作品)
リボンや家などの図案には『絆』という意味を込めています。
展示のテーマは『男根を切り刻んで消滅させる』です。ちんこのイメージ(ペニステキスタイル)を切り刻み、消滅させるためのキルトワーク。すべての父と息子と、それに繋がるものを切り刻み、消滅させたかった。私が執着を手放すために必要だった。
男根を切り刻んで消滅させて、もう一度再生させる、みたいな願いが込められています」
――パッチワークといえば、キャシー中島先生だよね。
ぴ「キャシー先生はすごいの! 時間と愛情を込めて男性が嫌がるものを作るの!
キルトの裏地はキャシー中島ミュージアムで仕入れた布を使っています♡」
――今回のぴろよさんの作品はまさにそれだね。怒気迫ってる。みんな、会場に入って、まんこはこんなに明るいのに奥のちんこの部屋のヤバさに驚いて……そして心癒されていくよ。
ぴ「ろくでなし子さんは『社会』に向けてまんこをPOPに解放しているけれど、わたしの作品はどこまでも内部に、『個』に向かっています。それは図らずも、いわゆる世間一般的なちんこ観、まんこ観の印象と逆転していてとてもおもしろいです」
――打ち合わせもしていないのに、こんなにぴったり逆転した陰と陽が重なるなんてすごいことだね!
ぴ「来年は、わたしはちんこのお葬式、なし子さんはまんこの結婚式をテーマにした展示でまたコラボができないかと企んでいます」
――とっても楽しビラ! ぴろよさん、ガバまんこ(がんばれ)!!!
ぴ「ガバまんこ!!!」
■ろくでなし子 /漫画家。日本性器のアート協会会員。自らの女性器を型どりデコレーションした立体作品「デコまん」造形作家。著書に『デコまん』(ぶんか社刊)。『女子校あるある』(彩図社刊)
ろくでなし子ホームページ http://6d745.com/
日本性器のアート協会ホームページhttp://www.jsoa.jp/