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リボ払い中の33歳失職女子が求めたストレスフリーな職場

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 女性のリアルな懐事情を伺う『女のMONEY』、今回取材させていただいたのは私と同じ失職経験豊かな女性です。

 「仕事運がないんです」と嘆くUさん(以下U)は、現在33歳。誰もが知る都内の一流国立大学の法学部を卒業され、現在はフリーランスのライターをしてらっしゃいます。優しげで、知的な雰囲気の女性です。結婚歴はなく、紆余曲折を経て実家に身を寄せているというUさんのマネー事情とは?

休職中に膨らんだ借金

大和:フリーライターになられるまでは、どういうお仕事を経験されてきたのでしょう?

U:これまで4社で働きました。正社員やパートなど、いろいろ経験しましたよ。
新卒で正社員で働いた医療関係の会社では、人事部に配属され、新卒採用や新人研修の講師など担当していました。
この会社では年収330万、ボーナスもありました。月の手取りは20万、ボーナスは給与の2カ月分でした。けど、私が在職中に、会社が医療事故を月に2回も起こしたことに失望して、一年ほど働いて、自分から辞めました。

次に務めた商社では、広報を担当しました。
その会社の時は、住宅補助があり、手取りで27万でした。ボーナスはいつも40〜50万くらいで年2回もらっていたので、年収は430万ほどでした。

ところが入社時には分かりませんでしたが、この会社は、女性の総合職を採用しても、男性にしか仕事をさせない体質だったんです。男性上司に、「女は主張するな」と言われました。仕事は全部男性の同僚にしかまわされず、私は仕事をさせてもらえませんでした。そのうち、私がいても、上司が「部下として、やっぱり男性を入れる」と言い始めました。私は人格否定され、心と体はボロボロでした。

その会社で働く2年ほどの間に、心と体の感覚を失うようになってしまいました。職場や通勤途中の駅で失禁するようになってしまって。休職することにしたんです。

大和:ええっ失禁! それは大変!

U:休職中は傷病手当をもらいながら治療しました。毎月給料の6割の額が支給されて、月一回カウンセリングも受けてました。
私は両親との関係が悪いので、その時は実家には帰りたくなくて、東京にそのまま住んでいました。けれどまずいことに、私、2社目の会社に勤務中にカード依存になっていてクレジットカードのローンがかなりあったんです。休職中に借金が合計で130万くらいに膨らんでいました。
傷病手当は「働けない」という前提で出る手当なので、休職期間中、バイトなどで働いちゃいけないんです。けど、借金の返済のために、休職している間もバイトしてました。ホントはやってはいけないことなんですけど……。病気を抱えながらバイトするのは、体がつらかったです。

結局病気もあるし、借金も増えてしまったので、最後は泣く泣く実家に戻り、会社も退職しました。

3社めの勤め先は業績悪化でリストラ

大和: その会社で借金された130万円は何に使われたんですか?

U:私、その頃は一回の食事で1万円くらい使っていたので、そのせいです。毎回の食事で、食べては吐くことを繰り返す過食嘔吐をしていました。
借金のことは、最初は実家に戻っても両親に黙ってましたけどね。

大和:借金のことを隠したくても、実家に督促状が送られてきませんか?

U:督促状、来てましたね。そのせいで、実家に戻った年の終わりに親に借金がバレました。
「なんで黙ってた!」って親に怒鳴られて、「あなたたちには一番相談できません」と正直に話したところ、父が30万を出してくれて、それを残りの返済にあてました。

大和:傷病手当などの社会保険と、お父さんからの援助、両方の助けがあってよかった!『失職女子』では、家賃を払うお金がなくなって、借金か風俗か? って、悩むシーンがあるのですが、Uさんの場合はご両親の助けという選択肢があったということですよね。

U:実は、借金の返済でお金に困っていた時、友達の紹介で風俗の面接も受けましたよ。人妻系のお店でした。けれど実際に面接に行ってみると、そこはヘルスだったのに、「NGなし」、「生の挿入あり」の店だったんです。地方のお店だったんですけど、ヘルスでも挿入が当たり前の土地柄だったんです。面接で、「君だったら、なんでもやらなきゃ仕事にならないよ」って言われてしまって。泣きながら、友達にやっぱりできないって言って断りました。

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大和彩

米国の大学と美大を卒業後、日本で会社員に。しかし会社の倒産やリストラなどで次々職を失い貧困に陥いる。その状況をリアルタイムで発信したブログがきっかけとなり2013年6月より「messy」にて執筆活動を始める。著書『失職女子。 ~私がリストラされてから、生活保護を受給するまで(WAVE出版)』。現在はうつ、子宮内膜症、腫瘍、腰痛など闘病中。好きな食べ物は、熱いお茶。

『失職女子。 ~私がリストラされてから、生活保護を受給するまで(WAVE出版)』