本書ではこうした特定の条件のことを「記号」と呼んでいるわけですが……なるほど! 裸体そのものに興奮するわけではないというのは、女性のほうがよくわかるかもしれません。『an・an』を代表とする女性誌では、セックス特集が組まれると、男性タレントのセミヌードグラビアがありますが、そのタレントさんのファン+αぐらいの人しか興奮していないように思います。その興奮が性衝動につながるかどうかも疑問です。
ワタクシ事ですが、先日、某所でボクサーの村田諒太さんのポスターを見た瞬間、その肉体美にムラッとしてしまいました♡ 今まではセミヌードグラビアを見てもたいしてそそられず、スルーしてきた私です。これは生まれて初めての経験でしたが、思いのほか気分はさわやかでした。肌を見てそれだけで興奮するのは、とても健全なのだと身をもって知りました。
とすると、「記号化」された裸体(女性)でしか性的興奮を得られないというのは、少なくとも健全ではない状態だと予想がつきます。そして私が不快に感じているのは、「バイブ好きのスゲェ女」という記号をつけられているからではないだろうか、と感じました。私という人間を素通りして、「で、どんなオナニーすんの?」「どんなセックスしてるの?」「イクの?」「本当はチ●コの方が気持ちいいんじゃないの?」と勝手にイメージづけられたり、さらなる記号を付加されたり……。
私自身のものであるはずの性が、その不健全な性行動に勝手に巻き込まれる感がイヤなのだ、と。
はい、自意識過剰なのかもしれません。でも、とても腑に落ちたのです。ほかにも本書には「モヤモヤ解決のヒントをくれること」「さらにモヤモヤしてしまうこと」の両方が書かれていましたが、記事のボリュームの都合上、次回に送ります。よろしければ、引き続きおつき合いください!
■桃子/オトナのオモチャ約150種を所有し、それらを試しては、使用感をブログにつづるとともに、グッズを使ったラブコミュニケーションの楽しさを発信中。著書『今夜、コレを試します(OL桃子のオモチャ日記)』ブックマン社。ブログ、twitter
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