その他のサイトでも、「盗聴器」「時計カメラ」「USBカメラ」「卓上時計カメラ」など、不倫を自らの手で摘発するためのグッズや、「スマートフォン盗聴探知機」など、不倫摘発から逆に“身を守る”グッズが多数販売されている。このように、リサーチ会社の調査結果や、関連グッズ市場の動きを見ると、韓国では不倫や浮気を悪とするのは建前でしかない。実際はかなり多いのかもしれない。
「アシュレイ・マディソン」のCEOたちは、韓国の法律が非常に前近代的と批難の声を挙げているらしい。「結婚生活は変わった! 不倫は公平にひらかれた文化だ!!」と、上からグローバルスタンダードを押し付け、そして韓国で拒否された形だ。
韓国人の隠された本音は、おそらく「なんで不倫するのに、お前にお金を払うんだ!」「わざわざ言うな、恥ずかしい」「こっちは、すでに不倫と戦争中だ!」と言ったところだろう。
タイもスゴイ!!
ちなみに、男性の浮気が世界で一番多い国・タイに僕が住んでいた時、女性たちからいろいろな話を聞いた。
「タイの男は性欲が強すぎて、女じゃ飽き足らず、男に走り出している」(本当に、性的趣向ではく、性欲から男に走る男が多い)
「タイ人の男は絶対に浮気するから、タイ人とは結婚できない」(=タイでは外国人男性が、その相対的な一途さからモテる)
「タイでは不倫して○○○を切られる男も少なくない」(筆者は新聞でそんな報道をかなり見かけた)
逆に「ワタシ、ゲームみたいな楽しいだけの恋はしないの」などと言っていた既婚タイ人女性が、2時間後にはお持ち帰りされているなんてシーンも頻繁に見た。もっとも意味不明だったのは、とあるタイ人男性が白人男性を指しながら「あれ、俺の奥さんの旦那さん」と発言したことだった。「えっ?」となったが、事情を聞いてみると、白人男性が1年に一回休暇でタイに来た時には白人の奥さんになり生活費をもらい、白人が帰った後にはタイ人男性の奥さんとして生活をするという意味らしい。そのタイ人男性は、「世界にはそういうこともある」と諭すように教えてくれた。
アジアは不倫に関して“意外”と開放的だ。性文化全般で言えば、おそらく欧州よりも発展している。最終的に何が言いたいかと言うと、「アシュレイ・マディソン」は性文化の改革者を謳っているが、アジアの性文化を学び直し、いちから出直して来た方がよいということである。アジアの人々が、もっと驚き喜ぶようなサービスを考えるべきだ。
■河 鐘基/エンターテイメントから政治まで、韓国の社会問題を広範囲に取材。雑誌やウェブ媒体を中心にライター活動を展開中。K-POPも好きだがAKB48の方が好きという、韓流ライターにあるまじき趣味を持つ。さらに正直に言えば、ローラのほうが好き。
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