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結婚相手に「在宅ワーカー」を希望する西野カナが示した家庭の在り方の多様性

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『We Don't Stop』SME

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 19日に放送された『1番ソングSHOW』(日本テレビ系)に出演した西野カナ(25)。番組内で彼女は、結婚相手に求めることを問われた際に「在宅ワークの人がいいです」「家にいて欲しいし、家事も手伝って欲しいから」と答え、ネット上で大きな注目を集めている。

 西野といえば、共感性の強いラブソングを数多く発表し、若い女性から圧倒的な支持を得ている。作詞もこなす彼女は、楽曲に「会いたい」というキーワードをふんだんに取り入れることでも知られており、10年のヒット曲『会いたくて会いたくて』の「会いたくて会いたくて震える」という歌詞は印象的だ。

 女性なら誰しも経験がある、好きな人に会いたくても会えないというせつない感情を表現している西野。そのせつなさを感じることなく、在宅ワークでいつでも会いたい時に会える男性と結婚したいというのは、彼女らしい発言とも言える。

 この西野の発言について、ネットでは「束縛したいってことかな?」「自分に稼ぎがあるんなら旦那に家事や育児をまかせるのもいいかも」「収入にこだわらなければそういう男性はたくさんいると思うけど」と様々なコメントが飛び交った。

 彼女がどんな業種をイメージしているのかはわからないが、ひとくちに在宅ワークといってもいろんな種類がある。デザイナーなどのクリエイティブ系や、株やFXなどのトレーダー、フリーランスのライターやプログラマーなどなど、多岐に渡る。とはいえ、在宅ワーカーだったとしても、業務が忙しければ当然家事を手伝うことができないケースもあるだろうし、「家事を手伝って欲しい」という理由で相手の職種を選ぶのはやや軽率かもしれない。

 しかし、西野が結婚相手に家にいることを求めるのは、彼女の恋愛観に加えて、「結婚したら女性は家を守るべき」という既存の“社会通念”がまかり通らなくなっている現状も大きく影響しているだろう。

 既婚女性が在宅ワークに勤しみ、その夫がサラリーマンなどで毎日外で働いている場合、それについてとやかく口を出す人は少ないが、これが男女逆になった途端に夫側が「ヒモ」などと揶揄されることがある。しかし、昨今では「専業主夫」なる言葉も生まれた。そもそも、各家庭で収入や家事のバランスは違うものであるのが当然で、家庭内での役割は性別だけで決定されるものではない。家庭の在り方に決まりはないのだ。西野の「結婚後は男性に家にいてもらいたい」という発言は、それが徐々に浸透しつつあることを示しているのではないだろうか。
(ルイコスタ松岡)