6月15日に放送された『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)は、久々にメンバー全員集合で新企画をスタートさせたフルスロットル回だった。新企画はその名も「嫌いになった人」。
あれ? どっかで似たようなの聞いたことあるぞ??
おそらく日本テレビ系で番組改編時期に見かける『好きになった人』のパロディーバージョンだ。『めちゃイケ』の十八番でもある番組パクリ企画。フジ女子アナ喜久ちゃん曰く「フジテレビらしく♪(アレンジしてみました)」だそうで。
本家の内容はというと、ゲストの芸能人が過去に好きになった3名ほどの人とのエピソードを、当時を懐かしんだりしながら赤裸々に語っていき、出演交渉に応じてくれた「昔好きだった人」がスタジオに登場、再会を果たすというもの。「あの頃好きでした」「なんであの時ふったんですか」など甘酸っぱい告白をして、過去の恋愛を清算したりして。自分も一緒になっておセンチになってみたりして……。
最近では前田敦子モノマネでブレイクしたキンタロー。が番組内で告白してカップルになって話題を振り舞いていた。いいなぁ、キンタロー。人気も彼氏もGETできて。顔でっかいけど。
そんな本家の、青春っぽい感じとは真逆で攻めてきたのが今回の『めちゃイケ』。スタジオセットは本家とモロかぶりで、そっくりそのまま。こういうガッツリパロディー感が余計に面白さを増すから、気合入れたパクりって大事なんだな~。
トップバッターは冠番組がスタートするなど最近ノリに乗ってるオアシズ大久保佳代子さん。大久保さんの一番嫌いになった人は23歳の時に「芸能界から消されかけた 大物業界人T」だという。このT氏、再現VTRでも胡散臭いハットと薄色サングラスの装いで「あ、テリー伊藤だな」と視聴者の99%が確信したと思うが、焦らしながらスタジオに登場したのはやっぱりテリー伊藤だった。
まだ芸人として駆け出しだった21歳の頃、勝ち抜きお笑い番組で、芸人(オアシズとして出場)と審査員という形で大久保さんとテリーさんは出会った。その日披露したネタは観客に大ウケで、大久保さんは手応えを感じていた。ところが、テリーは「光浦はいいね~、特に顔がいい! メガネに四角い顔なんて芸人として最高の顔!」とベタ褒め(光浦的にはコンプレックスだった部分が、芸人として褒められる喜びよ!)。一方の大久保さんには目もくれず、「オアシズは解散して、光浦はピン芸人になった方がいい!」とまで言い放った。
大久保さんの受けたショックはよほど大きかったのだろう。すっかり芸人としての自信を無くし、イキイキとテレビの中で輝く光浦とは対照的に、表舞台から遠ざかってしまったという。企業のOLさんとして、光浦をひっそり応援しながら。そうだったんだ、大久保さん……。
それでも完全引退はせずに、細々と頑張ってきた結果、「エロ面白いOLさん」としてウケ、『めちゃイケ』の“隠れキャラ”のような存在としてジワジワ人気が過熱。大久保さんが今度いつ出るのかなぁ~と楽しみな隠れファンもいたはず。諦めないって大事!
再現VTRが終わり、テリー伊藤が「ほんとは来たくなかったけど、『スッキリ!』(日本テレビ系)で一緒の加藤(浩次)さんがいるから来たんだよ」とプンプン怒りながらスタジオに登場すると、ビビった様子を見せる大久保さんはなんだか怯えた子犬のようでカワイイ。ご立腹のテリーさんは
「大久保には感謝されてもいい。この何十年間か悔しいと思ったから頑張ったんじゃないのか?」
と、当時は叱咤激励のためにやったことだと豪語するも、「光浦は銭のとれるブス、大久保は(銭のとれない)ただのブス」という印象だったことをあらためてまくしたてるなど攻撃の手を緩めない。ブスの五段活用ばりにブスを連呼するのやめて貰えませんか!
ただ、テリーさんは「自分も同じだった」という。いわく、昔、日本テレビで制作した『サル年ばんざい!』という番組で、生きたサルをピコピコハンマーでモグラたたきのように叩くという企画をやらかして出禁になった(今じゃ絶対できない企画ですよ! 動物愛護団体がすっ飛んで来ますよ!)ことがある。その悔しさをバネにテレビ東京で頑張っていたら、再び日テレから声がかかり『天才・たけしの元気が出るテレビ』を手掛けることになった。伝説の番組はここから生まれたのだ!(ちなみにこの苦労話は2年前に出演した『SMAP×SMAP』でも披露済み、テリーさんの鉄板ネタらしい)
こうした話をつらつらとまくし立てて「愛のムチだったんだ」というテリー伊藤に、ちっとも納得がいかない様子の大久保さんだったけれど、しぶしぶ握手をしてテリー氏退場。イケイケおじさんのテリー伊藤と大久保さんは気が合わない同士のように見えるが、ナイナイ岡村が「(テリーさんに)一回抱かれてみてもいいんじゃないの?」とけしかけると、「全然イケますよ」とほくそ笑む大久保さん。さすがドスケベキャラを崩さない。
これを機にテリー氏とのコラボ番組を見てみたい。今の大久保さんをテリー氏はどう料理するんだろうか?
(文=テレ川ビノ子)