インタビュー

童顔美少女の外見なのに「超ヤリチン」な女装男子の華麗な日常

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はろーこゆたん!

はろーこゆたん!

短期集中連載・必殺裏仕事人

 「日本のディープな場所で働く男女」に注目する本連載。一人目は、身体改造――ボディ・サスペンションを売りにした女。二人目はブラックなスカトロマンションで働く女だった。三人目は、私が今まで会った中で一番可愛い女装家でありタレントの、花乃こゆきさんに取材をしてきたわ。

 そもそも女装家って、元々その癖があったのか、それを売りにしているだけなのか、そもそも男性が好きなのか、肉体ごと女性化したいと望むのか……人によっていろいろな違いがあると思うけど、今回取材に応じてくれたこゆたん(愛称)はアメリカ帰りの女装男子。マンガ『花の慶次-雲のかなたに-』(原哲夫/集英社)に憧れ、傾奇者の表現として女装をはじめたという。

 「子供の頃から“型にはまったこと”が嫌いでした」と話すこゆたん。正直、今まで私が見てきた女装家って中途半端なオカマみたいな人が多いんだけど、こゆたんは繁華街を歩いていても、パーティーに登場しても、一瞬で人々の視線を釘づけにするほど「童顔な女子」にしか見えない。

 そんなこゆたんと蜜柑様の出会いは、とあるイベント会場にて「同業ですか?」と声をかけられたことがきっかけだったのよね。ニューハーフ顔とか中性的だとはよく言われるけど、まぁなんて失礼しちゃうのかしら。顔が可愛いから許すけど。とにかく、その頃から蜜柑様の好奇心が疼いてしかたなかったわけ。

 単身でアメリカに留学・カリフォルニア州立フラトン大学のエンターテインメントビジネスカジノ学科を専攻し卒業、在学中にTOEIC860点を取得したというこゆたん。日本に帰国後、個性・特徴・クリエイティブを追求するため、女装パフォーマーになることを決意したこゆたんは、男の娘写真集『ゆりだんし』(マイウェイ出版)への出演、女装ミスコンに参加するなど、活動の幅を広げ、様々なことに挑戦中。

――で、そもそもいつから女装を始めたの?

こゆたん「いろいろあるんですけど……まず4年間アメリカにビジネス留学をしていたんだけど、2012年、就職は日本でしようと思って一時帰国したんです。その時に就活がすごく嫌になって」

――それはなかなか内定が決まらなかったから?

こゆたん「いや、日本の就職活動の体制が嫌になって。アメリカとは全く違うんですよね。アメリカは好きなときに好きな企業に面接行けばいいけど、日本は雇う時期も決まっていて、その期間に内定が出なかったらまた来年ね、とか。そのみんなと同じ時期に一斉に就活しなきゃいけないって焦らせるような体制で投げたくなってしまって」

――確かにね、縛りは多いわね。

こゆたん「それで全く別の面白いことをやりたいと思っていたときに銀座の占い師に話を聞く機会があって。これはもう丸投げしてやろう、と思って『何をやればいいか』と率直に聞いたら、その占い師が頭を抱えてこう言ったんですよ。『君は今すぐ就活をやめて女の恰好をしなさい』って」

――占い師の一言ですぐに始めたわけ? 抵抗感もなく?

こゆたん「すぐにやりました。そしたらなんとなく、この童顔も幸いしてサマにはなって。これはいけるんじゃないか、って思いつつも探り探りでやり続けましたね。そのときはこんなに続けるとは思わなかったんですけど」

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アスモデウス蜜柑

好奇心旺盛な自他共に認める色欲の女帝。長年高級クラブに在籍し、様々な人脈を得る。飲み会を頻繁に企画し、様々な男女の架け橋になり人間観察をするのが趣味。そのため老若男女問わず恋愛相談を受けることが多い。趣味は映画鑑賞で週に3本は映画を見る。